副社長のいきなり求婚宣言!?

 ふつと副社長との繋がりが断ち切られるものの、規則的に鳴る終話の音が、ふわふわとした夢見心地を誘う。


 今、私は誰と話したの……?

 これは、夢じゃないのかしら……


 一呼吸置いて、受話器を下ろす。

 
 ――“まどか……”。


 たしかに私を呼ぶ声が、耳の奥でこだました。


 また、会えるの……? 

 
 例え、これが夢だとしてもいい。

 そう思うと、あの声に触れた耳元から、身体中を駆け抜けるようにときめきの熱がほとばしる。


 会える……

 ……会いたい……、副社長……っ


 自分でもわかるくらい真っ赤に染まっているであろう顔を伏せる。

 高鳴りが治まらない胸にポーチを抱え、緩む口角を隠しながら化粧室に足を向けた。


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