あなたと同居なんてありえません!
「お父さん。香澄さん、いい人だね 」
家に帰ってきて、私はお父さんに香澄さんの印象を伝え、あの人ならお母さんになってもいいと言った。
「本当か? ……あ、1つ言い忘れてた。 香澄さん、息子さんが1人いるそうなんだ。 陽葵と同い年らしい」
「えっ、そうなの?」
私と同い年……か。 ということは、高校2年生。
香澄さんの息子さんだから、きっと素敵な人なんだろうな。
香澄さんに似て美男子そう。
短髪で、眉は切りそろえられていて、笑顔が素敵な人かな。
なんて、私は勝手に頭の中で想像した。
「今日は用事があって来れなかったんだって。 ……今のところ、陽葵は再婚に賛成か?」
いつになく真剣なお父さん。
それほど、再婚のことに対して大事に考えてくれているということ。
私が香澄さんがお母さんなんて嫌だ、とかりに言ってみたとする。
きっと、お父さんは再婚をやめ、付き合いもやめるだろう。
まぁ、私は香澄さんがお母さんがいいなと思ったわけで。
反対する理由なんてどこにもない。
「うん。 香澄さんがお母さんになってくれたら、嬉しい」