【短】夏に口付ける。
「海から誘ってくるなんて珍しいね」
「だってお前。ほっといたら夏休みの間ずっと家の中にいそうじゃん」
「よくお分かりで」
「バカタレ」
だからと言って、海の試合が見たくないわけじゃない。
海がバスケをしている姿は誰よりも輝いていて格好良い。
「おっと、じゃあ練習行ってくる」
「いってらっしゃい」
私が手を振ると、海は軽く手を挙げて部屋から出ていった。
海が扉を開けたから熱風が侵入したのか、エアコンがゴーッと音を立てながら動き始めた。
私は食べ終えたアイスの棒を捨てて、ベッドに寝っ転がる。
気持ちいいなあ。
そのまま私は眠りについた。