あたしたちの恋模様
『あ、チョコもらったよ。ありがとう』


「本当にヒロ、行ったんだね」


『おー。すべてバレてた。俺のことなんであんな分かんだろーな』



口ではそう言っても、口調が柔らかくてヒロのこと本当に大好きなんだろうなって思える。



「ヒロと大丈夫……?」



本当はヒロと悠貴の仲が壊れて欲しくなくて〝知らなかった〟なんていったけど、ヒロにはバレバレだったんだろう。

何かとヒロは鋭いから。



『ま、大丈夫だよ。心配してくれてありがとな』


「ううん。なんか心配で、でもヒロと悠貴はお互い好きそうだもんね!大丈夫か」


「なんだよ、それ!照れるわ!それよりもかすみちゃん!可愛かったな」



照れたようで、話題をかすみにうつす。



「小西くんもかわいかったけど」



あたしも悠貴の話題に乗って、小西くんの話をしてみる。


かすみのことを可愛いと言う、悠貴。
もしかしたら恋愛の対象はかすみに移ってしまったのかもしれない。

前に、好みと言っていたこともあるし。

そう考えるとなんだか惨めに感じてしまう。

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