あたしたちの恋模様
「浮気じゃないってこと?じゃあ、噂の兄貴か?」



上田くんがあたしと悠貴を交互に見る。



「いや、違うけど」


「そうだよな。似てねぇな」



妙に納得されてる。



「俺と心結は別れたの!」



ヒロが上田くんを睨む。



「え!?てっきりまだ付き合ってるもんだと!心結ちゃんごめんなっ」



上田くんが手を合わせて謝る。



「なんもいいよー」


上田くんはやっぱり憎めないタイプだなと思う。



「ほんとゴメンな」


ヒロの顔はとても悲しそうで、切なくなった。


「……ううん」



付き合ってたんだもん。
未だに別れたことを知らない人がいても仕方ない。


「悠貴もゴメンな、ほんと」


「俺はなんも」


「彼氏さんもごめんなさいっ」



今度は上田くんが悠貴に謝る。



「彼氏じゃないっすから」


悠貴の声はなんだか低くて不機嫌そうだった。

そんなに彼氏に思われたのが嫌だったのかな。
あたしは違っても彼氏って響きがうれしかった。

やっぱり好きなのはあたしだけだって分かってるけど、どうしても期待しちゃう。



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