あたしたちの恋模様
「っ……」



なんでヒロがいるんだよ。
今日こそ、ちゃんと言おうとしているのに。
なんでヒロが……?


心結がヒロに教えたのだろうか。
そして、ヒロも行くことにしたのだろうかを
色んな考えが頭の中を駆けずり回る。



「心結は悠貴くんの隣ね!」



ヒロと一緒にバスに乗り込んできた心結にかすみちゃんが俺の隣を指さす。



「うん」



少し気まずそうな顔で俺の隣に腰をおとす。



「さっきはごめんね?」


「え?なにが?」



突然、心結に謝られてよくわからない。
ヒロに教えたのはやはり心結なのだろうか。



「彼氏とか勘違いされて嫌だったんだろうなって……」



しょぼんと眉を下げる心結になんだか機嫌の悪かった心が溶けていく。



「なんとも思ってないよ」


「でも、怒ってた……」



心結の言葉にすっかり顔に出てしまっていたんだと気づく。



「そんなことで心結のこと怒るわけないだろ」



ポンッと頭を撫でれば笑顔になっていく、心結。

──俺はこの笑顔を守りたい。
素直にそう思えた。

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