あたしたちの恋模様
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「なぁ、心結」



遊園地も終盤。
観覧車に悠貴とふたりで乗っていた。

好きな人とふたりきりの状態に緊張してしまって、悠貴のことを見れない。
外ばかり見ていたあたし。



「え!?」



突然話しかけられてびっくりして悠貴を見る。



「もうすぐてっぺんだよ」



上を指さす。



「う、うん。そだね……」



悠貴の顔を見ることなんて、そんな出来なくて。
曖昧な返事をすることしかできない。



「キスでもする?定番の」



なんて、あたしの隣に移動してくる。



「なっ……!」



悠貴の言葉が想像を絶するもので言葉を失ってしまう。



「ははっ、心結からかうの楽しいー」



隣でゲラゲラ笑ってる。



「か、からかわないでよ!」



恥ずかしいからまた視線を窓の外に移す。


好きな人にそんなセリフを言われて、ドキドキしないわけがない。
何考えてるんだろう。


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