あたしたちの恋模様
「ちょっとどういうつもり!?」



……なんの嫌がらせだよ。

再び、お兄ちゃんからスマホを奪い取る。



「ごめっ……」



言葉を発したその時にはもう聞こえてきた、無機質な電子音。



「お兄のバカー」


「おー、切られたか」



なんて可笑しそうに笑ってる。



「お兄ちゃんのせいじゃん!」



妹がこんなに傷ついてるっていうのに、ヘラヘラと笑ってるお兄ちゃんに腹が立ってくる。



「俺は協力したつもりー」



なんてニコって笑う。



「どこが!?」



邪魔しかしてないじゃない。
協力なんて嘘も甚だしい。



「うまくいくから好きなやつと」


「ん!?」



なんでだろう、お兄ちゃんに一言も言ってないのに。



「なんでって?」



あたしのことを見透かしたように笑う。



「だって、何も言ってない……」


「見てりゃわかるっての。さっきからの気持ち悪いため息もそれだろ」


「……うん」



何も言ってないのにバレてたなんて。

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