あたしたちの恋模様
「わー!悠貴なんか久しぶりー!」



階段を降りたとこでそんな声が聞こえて思わず、かすみを連れて隠れてしまう。



「ちょっと心結?」


「ごめん、なんとなく……」



なんで隠れてしまったのか自分でもわからない。



「おー、彩香」



にっこりと笑う悠貴が見える。



「そういえば彼女できたんだって?ほら、うちの高校の「出来てない」



たぶん、あたしのことを言おうとした彩香ちゃんの言葉に被せるように悠貴が否定をする。



「……え?」



あたしの心に冷たい風が吹く。

悠貴、まだ彩香ちゃんのこと……。



「……心結」



かすみが気まずそうな顔であたしを見る。



「試合見ないで帰ろうか……」



あたしは今降りてきた階段をもう一度上る。

帰ろうにもここから出ると悠貴と彩香ちゃんがいる。



「お、心結ちゃん!ヒロの試合みてかないのー?」



遊園地の時と同じように空気の読めない上田くんが大きな声であたしに声をかけてくる。


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