あたしたちの恋模様
「……心結?」



上田くんのあたしの呼ぶ声に反応したのだろう。
ひょっこりと顔を見せてくる悠貴。



「……あ」



なんて言えばいいかなんてわからなかった。
だって、隣には彩香ちゃん。

今、見られたくなかった。



「あの、心結」



あたしが聞いていたことを悟ったのだろう。
あたしに向かって1歩前に出てくる。



「だ、大丈夫だから」


「え?」



自分でもなにが大丈夫だというのかわからない。



「だ、大丈夫!!!」



それだけ叫ぶとそのまま走って階段を駆け上がる。



「心結!」



悠貴が追いかけてきて、簡単にあたしの腕を捕まえる。



「いまは無理……」



あたしがそう言うと悠貴は力なく、あたしの腕を離す。



「……心結、ごめん」



何を謝ってるというのだろう。
まだ彩香ちゃんのことが好きだから?

あたしの瞳からは大粒のものが落ちてくる。

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