あたしたちの恋模様
「なに、泣いてんの……」



階段の上から聞こえる懐かしい声。



「……ヒロ」



慌てて制服で自分の涙を拭く。



「心結、ごめん」



もう1度悠貴にあやまられる。

未だ何に対して謝ってるのかがわからない。



「悠貴が泣かしたの?」



ヒロが悠貴に向かって歩いていく。



「お前には関係ない」



悠貴がヒロから視線を外す。



「あ?泣かせたかどうか聞いてんだ。答えろよ」



ヒロが悠貴の胸ぐらを掴む。



「……ヒロ、やめて」



ヒロの腕を掴む。



「だって、悠貴に泣かされたんだろ?」


「大丈夫だから。試合前なのに……ヒロ、こういうことあると調子悪くなっちゃうんだから落ち着かせて」



ヒロは感情の起伏が激しくてプレイに影響出やすいんだ。



「試合終わったら聞かせてもらうからな」



悠貴のことを軽く睨んで下へと降りていく。



「悠貴も行って」


「ヒロのことなんでも分かってる感じだな……」



ポツリとそう残し、悠貴も下へとおりていく。
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