あたしたちの恋模様
「悠貴と話した?」



屋上につくなり、ヒロが悠貴の名前を口にする。



「かすみと同じ質問……」


「それだけみんな心配してんだろ」


「……うん」



ヒロも心配してくれてるってことがわかる。
だからこうしてここに連れてきてくれてる。



「悠貴と付き合ってんだよな?」


「え?あ、うん」



言ってなかっただろうか。
あたしはヒロと話すことがあまりなくなってしまったけど、悠貴が話してるもんだと思ってた。



「大丈夫。悠貴からとっくに聞いてるから」



あたしの心を読みとったように話す。



「あ、そうか」


「でも、俺の見えるとこで泣くなよ」



ヒロがあたしに近づいてきて、ぐいっと自分腕の中に入れる。
あっという間の行動で避けることもできなかった。



「ヒロっ!」



叫んでみるけど、簡単には腕の中から逃れられない。



「心結が泣いてるとこ見ると苦しんだ。胸がぎゅうってなって、まだ俺は心結が好きなんだっておもいしらされる。放ってなんておけなくなる」



ヒロの悲痛のような思いにあたしも胸がぎゅうっと苦しくなる。

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