あたしたちの恋模様
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「悠貴、スマホ鳴ってる」



授業開始前の騒がしい教室。
クラスメイトたちが昨日のドラマはどうだったとか、野球の結果とか話してる。

いつもの俺ならその話に混ざるけど、今日はとてもじゃないけどそんな気分にもなれない。



「あー、置いといて……」



特に電話に出る気にもなれず机に顔を伏せる。



「そこ俺の席だし。つーか電話心結ちゃんだけど」



小西の声にカバっと起き上がって、スマホを奪い取る。



「それを先に言え!」



小西に文句を言ってから慌てて電話に出る。



「心結!?」



昨日〝考えさせて〟と言ったのは夜の8時。
12時間あまり経過して、答えがまとまるような瞬間があるとも思えない。
寝る時間だってあるし。

俺は絶対寝れないなんて思ってたのに、人間てのはいくらでも寝れるようで気がついたら朝だった。

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