あたしたちの恋模様
『悠貴……』


「どした?」



心結の声色的に、別れ話とかそういうんじゃない気がして。
電話だとどうしてこうも心結気持ちが声だけでわかるのだろうか。
どうしてこうも対面だも全くわからなんだろうか。



『早退したの』


「え!?どっか具合でも!?」


『ううん。悠貴に会いたくて……』


「え!?」



予想外の心結の言葉にビックリしてしまう。



『ごめんね、迷惑だよね?』


「ううん。大丈夫。中抜けしかできないけど、行くから。学校の前の公園に来て」



心結との電話はそこで終わった。



「小西、俺でてくる」


「は!?帰るのかよ。それはマズいだろ……」


「帰んねーよ。中抜けするからなんとかしといて」


「へいへい」



俺らはスポーツ推薦で学校に来てるから、早退なんてことは許されない。
だからよっぽどのことがない限りは早退なんてできない。

母さんにも怒られる。



「じゃあちょっといってくる!」



全てを小西に託して、教室から出た。

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