あたしたちの恋模様
「悠貴!」



悠貴の家の近くの交差点。
そこで悠貴が待っていてくれた。



「心結ー。会いたかった」



そうあたしの頭を撫でて抱きしめてくれる。



「しばらく会えなくなっちゃうもんね」


「うん。寂しいから、今日は長く心結といたい」



髪の毛を触れる指先にすらドキドキしてしまう。
その指先がなんだか色っぽく見えてしまって。
意識するとどんどん意識してしまう。



「行こう」



悠貴があたしの手を握って歩き出す。



「うん」



初めて、悠貴の家にいく。
どんな家で過ごしてきたんだろう。
たくさんのあたしが知らない悠貴が詰まった場所。



「ここ、彩香の家」



一つの一軒家を指さす。



「へーここが」


「で、ここが俺んち」



彩香ちゃんの家のすぐ向かいにそびえ立つ、一軒家。

〝丹羽〟と書かれた表札。



「ほんとに幼なじみなんだね」


「おー、赤ちゃんの頃から知ってるぜって記憶ないけどな」



笑いながら、家のドアを開ける。

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