あたしたちの恋模様
「おじゃましまーす」


「ふっ、誰もいないけどな」


「礼儀よ!礼儀!」



シーンとした家に、本当に誰もいないんだと実感して緊張が強まる。



「階段上がった目の前の部屋が俺の部屋だから。上がっといて!飲み物とかもってくから」



階段を指さす。



「あ、わかった。エロ本探しとく」


「バカ、普通隠すだろ」


「あるんかい!」


「ねぇよ!」



そんなやり取りをしつつ悠貴はリビングへ、あたしは階段をのぼる。



「あ、これ……」



悠貴の部屋に入ってすぐに目に入ったのは写真たてに入った写真。

中学生のときだろう。
〝優勝〟とかかれたトロフィーを持って、悠貴やヒロたちが写ってる。
みんな今よりも少し幼い。



「……あれ?」



そのまま机に目をやったときに入ってきた一冊の雑誌。



「どした?」



いつの間にか部屋にきていた悠貴があたしの声に反応する。


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