あたしたちの恋模様
「これ、お兄ちゃんなんだけど……」


「は?」



あたしの言葉が信じられないようで、キョトンとした顔を見せる。



「だから、お兄ちゃん。前に一度電話で話したでしょ?」



お兄ちゃんが〝協力〟と称して、協力になっていないような協力をしてくれたあの日。



「ええええええ!?」



悠貴はありえないぐらい叫んで、ありえないぐらい後ずさりして行って、ちょうど下がったところにあるベッドに座る形になった。



「そんな驚く?」


「優生さんの妹とかマジでビビるって!」


「あんなふうに電話でいうようなやつだよ?」


「まさかあれが……妹についた変な虫が俺とか……」



ベッドになだれ込む。



「まさかそんなに尊敬してるとは……」


「この辺のサッカーやってるような奴の間だと大体そうだよ、優生さん。今は関西のチーム?」


「ヒロもそうだったなぁ……。そう、いまは大学だよ」



ヒロと仲良くなったきっかけもお兄ちゃんだった。

お兄ちゃんはというと、高校を3月に卒業していまは関西の大学でサッカーをやっている。


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