あたしたちの恋模様
「悠貴が初めてでよかった」


「俺に任せてくれてありがとう」



こんなに大切な人は2度と現れないと思った。
こんなに愛しい人は2度と現れないと思った。
もう、すべてが。
ここに心結がいるということ自体が愛しすぎて、仕方なかった。



「ごめんな、手加減してやれなくて」


「え？」


「心結初めてなのに、優しくしてあげれなかった」



完全なる嫉妬。
心結の口からヒロの名前が出てただけで、我を忘れてた。

普段ならそんなことないのに。
優生さんが心結のお兄さんってのを俺より先に知ってる。
ただ、それだけのことで悔しかった。

そりゃ、俺より先にヒロが出会ってるし。
俺の前の彼氏はヒロだし。

ヒロのほうが先に経験してることが多いのは当たり前だった。
でも、どうしてもヒロに勝ちたかった。

心結がヒロとはしてないって聞いて心底嬉しかったんだよ。


次は優しくしようと心に誓った初体験の日の出来事。

< 165 / 298 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop