あたしたちの恋模様
「……っ、なんだよ」



俺よりヒロのほうが心結のことをよく分かっているのは当然で。
俺はいつかは、ヒロよりも長い時間一緒にいるようになるんだからって思ってる。

でも、こういう風に現実を突きつけられるとやっぱり嫉妬の心が疼く。



「悠貴、ちゃんと咲坂さんのこと見てる？」


「……見てるつもりなんだけどな」



見れてないのかもしれない。



「ちゃんと見ないと、ヒロとかまた別のヤツとか現れて暴れんぞ」


「……わかってる」



ただ、好き。
それだけじゃだめなんだよな。
ちゃんと相手のことを考えないと。



「やっちまったかな、俺」


「ん？」


「昨日、疲れてるからってすぐ家呼んでやることやって終わった」



今考えれば、心結の意思も関係なしに求めた。
相手のことを考えるべきなのに。



「お前なぁ……久しぶりにあったから気持ちが高まるのはわかるけどさ、ちゃんと咲坂さんの気持ち尊重しないと」



郁人はいつの間にか俺の先にいた。
郁人が初体験のときは、オロオロしてたのに。
俺が背中押したのに。

あーなんかムカつく。

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