あたしたちの恋模様
本当なら離すべきだ。
でも、この手を振り払うことができない。

もしも、悠貴が他の女の子と手を繋いでいたりしたら嫌だ。


……やっぱり、こんなのダメだ。



「……あのっ」


「心結は俺のこと好きになってくれない?」


「……カズくんっ!」



思い切って、カズくんの手を振り払う。



「逃がさないから」



いとも簡単にカズくんに捕まえられる。



「……カズくん、ほんと困る」


「俺の彼女になって。幸せにするから、絶対」


「……無理」



あたしはとにかく首を横に振る。



「……っ」



そんなあたしを苦しい顔で見つめる。



「なんでだろ、なんでこんなに好きなんだろ」


「ごめんな……んっ」



謝ろうとしたあたしの言葉を遮って、カズくんに唇を塞がれる。



「……ちょっ……んっ」



つき飛ばそうとした、あたしの唇をもう一度奪う。

カズくんの力は男の子で、かなわない。


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