あたしたちの恋模様
「聞いてないんだけど、カズと知り合いとか」



聞いたことのないような低い声で話す。



「お兄ちゃんが……連れてきて、それで友達に」


「友達ねぇ……」



ふっと笑う。



「……悠貴?」


「友達ってキスするんだ?」



あたしに近づいてきて、顎を持ち上げる。



「……悠貴?」


「あいつのキス、うまかった?」


「……っ!そんなのうまいとか下手とか考えない!どうしたら逃れられるかしか考えてなかった!」



悠貴にわかってもらいたくて必死だった。



「でも、2回目も受け入れてたよね」


「いや、受け入れたってよりも……」


「ヒロだけじゃないんだな、むかつく」



冷たい目をしたままあたしの唇に自分の唇を重ねる。



「っ……んっ」



入り込んでくる舌の動きに翻弄される。


悠貴のこと大好きなのに。
こんなに冷たい悠貴は悠貴じゃない。

冷たい悠貴が怖くて、あたしの瞳からは大粒の涙がながれてくる。


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