あたしたちの恋模様
「お待たせ」



なるべく窓際を見ないようにしてると、目の前にトレイが置かれる。



「奏汰くん……」


「ん?」


「奏汰くんって何年生受け持ってるの……?」



あの子のことなんて知らなくてもいいのに。
でも、聞きたくなってしまう。



「1年だよ」


「1年生……」



大人っぽいけど年下なんだね。
悠貴はあの子のことがすきなのだろうか。



「あれ!?有田先生だ!!」



そんな声とバタバタという足音が聞こえる。



「おー。ミサキ」


「先生の奥さんって女子高生なの!?」



ミサキさんの言葉に奏汰くんが飲んでいたコーヒーを吹き出す。



「バカ!……んなわけねぇだろが!」


「ミサキの先生?」



2人のやり取りに悠貴がいつの間にか、奏汰くんの隣にきていた。



「……っ」



久しぶりに近くにいる悠貴。
ただ近くにいるだけで心臓がバクバクいうなんて。



「……え?」



奏汰くんの向かいにいるあたしに気づいて、見る見る目が見開いていく。


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