あたしたちの恋模様
『名前、なんていうの?』


「心結」


『俺は、悠貴っていうんだけど呼び捨てでいいから』


彼は悠貴と言った。

こんな感じで話続け、あっという間に二時間。
彼と話した二時間はあっという間だった。

初めて話したのに、すごく楽しくて。
このまま終わってしまうのがもったいないと感じる。

だってあたしたちは言わば行きずりの旅人みたいなもん。
……って、決して旅はしてない。



「悠貴はどこの高校?」


『山の上高校だよ!心結は?』


「あたしは山の西高校だよ!」



こんな初めての人なのに、自分のプロフィールだってスラスラ話せた。



『西高なんだ!俺の親友も西高!』


「へー!あたしは上高に知り合いいないなぁー」



残念だなと感じる。
上高に知り合いがいれば、悠貴とまた何かしらの形で連絡が取れたかもれないのに。

だって、この電話を切ってしまえばあたしたちは赤の他人に戻るんだ。
それはなんだから寂しかった。

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