あたしたちの恋模様
「唯斗?」


「全然諦めつかねぇんだよ。マジで心結の事が好きだ」



真剣な顔であたしを見上げる。

持ってかれるわけがないって思ってたけど、どうしてドキドキししまうんだろう。



「唯斗、あたし……「言うな」



あたしの言葉を遮ったかと思うと、グイッと自分へと引き寄せる。



「唯斗……お客さん来ちゃう」


「ここ死角なの。俺、昔からここで手伝ってるからどこが死角なのか知り尽くしてっから」



ポンポンとあたしの背中を心地よいリズムで叩く。



「そ、そういう問題じゃ……っ」



思いっきり背中に回った唯斗の手を振りほどく。



「……ムカつく」



その場で項垂れる唯斗。



「……唯斗」


「俺、中学卒業してからずーっと心結のこと好きだったよ」



唯斗が項垂れたまま、話し出す。



「卒業式のときに、この関係終わろうって言ったのは唯斗じゃない!」



あたしは付き合えなくたって、他に彼女がいたって。
そばにいられるのが嬉しかったのに。

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