あたしたちの恋模様
「そ。俺から手放したね。彼女にバレそうだったから」


「……だよね」



〝卒業してから〟とか言うから、あの時の言葉はあたしの勘違いなのかと一瞬思った。
でも、やっぱり勘違いなんかじゃなかった。



「それからずーっと心結のことばっか考えてた」


「……え？」


「すぐに彼女と別れて、電話したかったのに番号変えやがってるしよ」



盛大なため息をつく。



「あー、そういえば……」



都合のいいときだけかけてくる、唯斗を恐れて電話番号も変えて、LINEも消したんだ。



「何度も心結の家の前行ったんだ」


「え？」



そんなに来ていたなら1度くらい会ってもよさそうなのに。



「1度だけ心結を見かけて、その日は男とキスしてたときっていうタイミングの悪さな」



自分の足に顔を埋める。



「……え？」


「でも、さっきの奴じゃなかったよ」


「あー、元カレだね」



唯斗が見たのはヒロだと思った。
というか、悠貴かヒロしかいないし。

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