あたしたちの恋模様
「すげぇムカつく」



悠貴の手からバラバラになったストラップのアクセサリーが地面に落ちていく。



「……っ、ごめん!無神経だった!本当にごめん!」


「俺ならなんでも許すとでも?」



上からあたしを見下ろす瞳には輝きなんてなかった。



「そんなふうに悠貴のこと思ったことない!」


「でもさ、このストラップをこんなに大切にして……未だに大事な存在なんだろ?あいつ」


「……っ、そりゃ大事じゃないって言ったら嘘になる」



唯斗は中学3年間のすべてだったんだ。
そんな人のことをすっかりなくせるほど、あたしは出来た人間ではない。



「素敵な思い出だな」



なんて笑うけど、その瞳には冷たさしかなくて。



「……悠貴?」


「心結、好きだよ」



あたしの顎をクイッとあげて、触れるだけのキスをする。

こんなに冷たいキスは、はじめてだった。



「ゆ、悠貴!」



キスをしてきた悠貴の胸を軽く押して離れる。

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