あたしたちの恋模様
「……っ」



唯斗の声には反応せずに、ストラップを拾う。



「……なに、やってんだよ!」



あたしの前にしゃがむ。



「あ、それ……」


「ごめんね、バラバラになっちゃった」


「心結、泣いてる?」



あたしの頬に手を触れる。



「大丈夫だから。唯斗もう帰るんでしょ?行って」


「放っておけるわけないだろ!」




ぐいっとあたしを立ち上がらせる。



「……いいよ、放っといて」


「俺のせいだろ。嫌な思いさせてごめん」



唯斗の眉が下がって、悲しそうな顔になる。



「……違う。悪いのはあたし」


「大丈夫かよ……」


「うん。大丈夫だよ」



せめて笑顔でと思って、ニコッと笑ってみせる。



「……んな顔で笑ってんなよ」



あたしを引っ張って自分の胸に寄せる。



「ゆ、唯斗!」


「いいから泣いとけ」



あたしをぎゅっと抱きしめる。



「……ごめん」


「なにが?」


「こんなの唯斗も辛いのに」


「ばーか。心結のためならなんでもするっつの」



唯斗の優しさに胸がツンっとなる。


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