あたしたちの恋模様
「その、妹と悠貴は……?」


「うん、妹の彼氏みたい」



その瞬間、あたしの心はピキンっと凍りついた。

まだ、好きなんだ。
忘れてなかったんだって実感する。



「……っ」



あたしの手が震えてることに気づいてか、隣に座る悠貴がそっと手を握ってくる。



「そうなんだ。でも、俺は悠貴と全然仲良くないから」


「なんだー。織田くんと共通ネタできたとおもったのにー」


「共通ネタだとしても俺は変わんねぇよ?心結行こう」



あたしを椅子から立ち上がらせる。



「織田くんと咲坂さんって付き合ってるの?」


「俺が好きなだけ」



彼女にそれだけ言って、あたしの手を引いたままずんずん歩き続ける。



「……ヒロ、どこいくの?」


「いいから、このままついてきて」



有無を言わさない様子のヒロに仕方なく手を引かれたまま歩く。

でも、いまヒロがいてくれてよかったと心の底から思う。

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