あたしたちの恋模様
「……っ、もう……どうして……」



悠貴を一目見るだけで、あの頃の気持ちが蘇ってきてしまう。

やっぱりどうしても、悠貴が好きだと思い知らされる。



「なぁ、もういいんじゃねぇの?」


「……いい?」


「悠貴のこと、もうやめろよ」



ヒロの言葉に胸がぎゅうっと苦しくなる。



「無理だよ……こんなに好き、なんだもんっ!」



好きな人には彼女がいる。
彼女がいたって想ってもいいはずだ。



「だったら俺だって、こんなに好きなんだぜ」


「……ヒロ」



ヒロはもう何年もこんな思いをしてきたのだろうか。



「どうしたら俺を見てくれる?あいつを忘れられる?」



向かいで話してるヒロに不思議と心が暖かくなった。

悠貴と彼女をみて冷たくなった心が暖かくなっていくのを感じた。



「ヒロはずっとあたしのことを好きって言ってくれるんだね」



思えば別れてから、1度だって〝諦める〟という言葉を聞いたことがない。

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