あたしたちの恋模様
「ごゆっくりどうぞ」



そのままあたしに背を向ける。



「ゆ、悠貴!」



思わず、その背中に彼の名前を叫んでた。



「え?知り合い?」



向かいのしのぶちゃんもびっくりしてる。



「……ごめん、仕事中だから」



そうあたしを見ずに裏へ向かって歩いていく。

やっぱり、あたしとは会いたくなかったのかな。
思わず呼んじゃったけど、やめた方がよかったのかな。



「……心結ちゃん?」



パンケーキをただ見つめるあたしに、不思議そうな顔をしてるしのぶちゃん。



「あ、ごめん!ってかいつの間にかしのぶちゃんのも来てる!」



目の前をみれば、しのぶちゃんの前にもパンケーキがあった。



「さ、食べよう!」



ナイフとフォークを持って、パンケーキを切っていく。

さっき、悠貴が持ってきたパンケーキ。



「おいしいね、しのぶちゃん」


「うん、だね」



あたしの様子に気づいてるんだろうけど、何も言わないでいてくれることに感謝しかなかった。

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