あたしたちの恋模様
「じゃあ、俺は部活でも出てみるかなぁー」


「毎日出なくていいのー?」


「俺、正式に入部してないもん」



ヒロは何度もサッカー部から誘いがきてた。
でも、それを断ってまで放課後はあたしといてくれていた。
そして、あたしと一緒に帰らない日は部活に飛び入り参加してくんだ。



「入ればよかったのに」


「高校で一区切りつけたんだよ。ほら、高校サッカー出れたじゃん。あそこで思いっきりできたからさ」



高校サッカーってのはサッカー部の全国大会。
うちの学校から出るのは初めてだったから、みんなで応援しに行ったのを覚えてる。



「あの日のヒロすっごくカッコよかった」


「だろ?」



ドヤ顔をして微笑む。



「久しぶりに見ようかな?」


「え?」



あたしの言葉に首を傾げる。



「部活出るなら見に行こうかなって」



卒業してから一度も見たことがなかったから。
久しぶりにサッカーしているヒロを見たくなった。

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