あたしたちの恋模様
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『……でもさ』



一通り、悠貴から聞いてあの頃のことを理解したつもりだった。



「ん?」



『ずっとずっと心結のことが好きなんだ』




悠貴のその言葉にザワつく心臓。



「……悠貴」


『あのパンケーキだって、心結が食べるところを想像して考えんたんだ』


「覚えてたんだ……」



悠貴があたしのことを考えてくれていたことに簡単に胸がきゅうっとなった。



『毎日毎日心結のことばかり考えてるよ。いまだに』



悠貴の言葉に、あたしの胸は簡単に踊らされる。

やっぱり悠貴が好きだから。



「でも、彼女さんいるんだもんね……」



それでも、一歩踏み込めないのは彼女という存在があるから。

それに……。



『俺がなんとかして彼女と別れて心結とまた付き合いたいって言ったらどうする?』


「……悠貴」


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