あたしたちの恋模様
「あー、やっといつもの心結だ」



突然、目を細めて優しく笑う。



「……っ、なにそれ」


「だって、なんか元気なかったからさ」


「それであたしのことからかったの?」



あぁ、もう。
自分でも元気ないつもりなんてなかったのに。



「ま、元気ないつもりもなかったんだろうけど」


「……なっ」



いま思っていたことを口にされて。
かぁっと顔が赤くなる。



「なに赤くなってんの?」


「だってなんか、すべて見透かされてる……」


「心結のことなら分かるって。まぁたぶん前に付き合ってたときだとわかってねぇな」



伸びをしながら〝俺も成長したなぁー〟なんて軽く言ってるけど。
そのセリフにドキドキするのは内緒。



「そういえば、どこ食べにいく?」



駅前まできて、周りの店をキョロキョロ見る。



「……あそこ「あそこはやめとこ!」



悠貴が働いているカフェを指さしたヒロの言葉を途中で遮る。

またあのメニューを見てしまったら、また好きだと思ってしまいそうだから。

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