あたしたちの恋模様
......................................................



「心結もいまは自分の気持ち気づいてんだろ？」


「そう、だね……。悠貴のことが好きだって思えば思うほど、ヒロが心にしがみついて離れないの」



あたしがヒロへの想いを口にすると、ふぅっとため息をつく。



「結局、俺と別れたあと心結のことを支えたのはヒロだったからな」


「……そうだね」



いつの間にか、一緒にいるのが当たり前で。
ヒロ以外の隣にいる自分も、ヒロの隣に自分以外の誰かがいるのも想像なんてできなかった。

悠貴の元に走ってる間、考えるのはもうずっとヒロのことで。
でも、あたしは悠貴が好きなんだって言い聞かせて。
溢れてきそうな想いに蓋をした。

思えば、これまで何度も蓋をしてきた。
どうしても、悠貴のことを好きでいたくて。

< 289 / 298 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop