あたしたちの恋模様
「あたし必要ないので帰りますね」


「え?」


「ヒロに言っといてください」



横にあるカバンを取って歩き出す。



「あのっ!大丈夫ですか?」



腕を掴んで行く手を阻まれる。



「大丈夫です。ヒロ、こういうのうるさいので離した方がいいです」



ゆっくりと彼の手を離す。



「自分はいいのに相手はダメとかなかなかだな」



可笑しそうに笑う。


「それがヒロですから。じゃあ」



彼にペコッと頭を下げてグラウンドを出る。



「おい、帰んの?」



いつの間にか学校内に一度入っていたらしい、ヒロとマネージャーが出てくる。



「うん。理由はわかるよね」


「なにー?あたし?」



勝ち誇ったような顔であたしを見る。



「なんでお前だよ」


「じゃあね」



二人が一緒にいるところなんて見たくなくて、背を向けた。



「いつになったらこんな苦しみから解放されるんだろう」



ヒロがこういうのをやめてくれるのが一番なのに。
それが望めない場合は、自分から離れるしかないのだろうか。

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