あたしたちの恋模様
『まぁ、両思いで今年の夏から付き合い出したんだよね』


「悠貴、ショックだったね」


『んー。まぁ、いずれはって思ってたからなぁ』


「覚悟できてたのか」



でも、いくら覚悟できてたとはいえショックはショックじゃないだろうか。



『それもあるけど、その頃はもう心結とでんわしてたからね』


「そっか」


『うん。もう心結のこと気になり始めてたから』



嬉しいような困るような複雑な気分。



「ありがとう」


『いや、まず会ってからだってずっと思ってんだけど。どうも心結に関しては俺の気持ちのコントロールが効かないらしいんだよね』


「……なにそれ」



悠貴は平気で恥ずかしい言葉を言ってのける。



『こんなになったの彩香以外で初めてなんだよ』


「彩香……」



突然出てきた名前に胸の中に黒いものが広がってくる。



『あ、ごめん。さっきの幼なじみな』


「わかってる」



悠貴のことは大切だとは思ってるけど、それ以外の感情はないはずなのに。
どうして、こんなにも嫉妬のような感情が出てくるのだろうか。

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