あたしたちの恋模様
『なんか怒ってる……？』



つい口調がそうなってしまったのだろうか。
悠貴が心配そうな声色になる。



「怒ってなんかないよ。怒る部分どこにもないじゃん」


『そうだけど、自分のことベラベラ話しすぎて嫌われたのかなって』


「そんなふうに思ったりなんかしないよ！悠貴の話はどれもどうでもいいなんて思わないよ！」



なんでだろう。
なんでこんなに感情的になってしまうのだろうか。

あたしは誰が好きなんだろうか。



『ねぇ、心結』



すこし甘いようなそんな声。
スマホを当ててる耳が熱く感じる。



「ん？」


『俺と同じ気持ちって言ってるように感じるんだ。心結が』


「そ……」



〝そんなわけない〟
そう言いたいのに。

そう言おうとした口はそう言えないで止まっしまう。



『心結はヒロの彼女だもんな。何言ってんだ、俺』


「……うん」



こんなこと許されるわけがない。
それに、こんなふうに心変わりする女の子を悠貴が好きでいてくれるわけがない。

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