あたしたちの恋模様
『なぁ、心結。好きなんだよ、俺』


「好きなら今頃ここにいるよ。あたしと楽しんでるよ」


『それは……』


「できもしないくせに、簡単に言わないでよ」



もう限界だった。
度重なる浮気に、周りからの言葉。
ヒロのことを好きな人なんて学校にたくさんいる。
だから、陰口だってたくさん言われた。

それでもよかったのは、ヒロはあたしのことを好きっていう自負があったから。

それも今日で終わった。



『どうしてもダメ?』


「ダメ。もう限界」


『そっか……』


「次は浮気なんかしないようにね。バイバイ」



一方的に告げて電話を切る。



「終っちゃった……」



口にすればまた頬を伝う涙。



「あんなやつ、別れて正解なんだから……なのになんで泣いてるんだろう」



泣きたくなんかないのに。
そんな心とは裏腹に止まることを知らない涙。

泣くくらいなら、別れなきゃいいのた。



「あっ……」



ポケットの中で鳴り響くスマホ。

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