あたしたちの恋模様
「心結だって他の男と電話してたし……」


「電話?」



それは俺との電話のことだろうかとギクッと胸がなる。

郁人も俺の方を見てる。



「そう、電話。俺と付き合って二ヶ月くらいの頃からずっと電話してた男がいたらしいよ。当時それ知ったら俺、相手のこと殴りに行くのに」



ヒロの拳を握りしめる姿にブルっと身震いがする。

──まさか、その相手が俺だなんて
思ってもいないだろうな。



「でも、別にそれ浮気じゃねーじゃん」



郁人がポンポンっとヒロの頭を叩く。



「会うか会わないかの違いだろ」


「彼女に見られてもなんとも思わないほうがどうかと思うけど」


「こそこそするよりいいだろ」



俺の言葉にも開き直って答えるヒロ。



「お前、そんなんじゃその子一生戻ってなんてこねぇよ」


「は?なんで悠貴にそんなこと言われなきゃなんねぇわけ」



イラっとしたようで、壁をドンッと叩く。

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