あたしたちの恋模様
「そういえば心結に昨日の夜電話したんだけど、話し中だったねー」


「最近夜は毎日話してるかもー」


「毎日!?」



かすみが驚いたように声をあげる。



「そ。顔も知らない男の子とね」



あれから悠貴と電話をするのが、いつの間にかあたしの日常だった。



「なにそれ!?どーいうこと?」



狂ったようにあたしの肩を掴む。



「間違い電話でかかってきた人と毎日電話してんの」


「ふーん。恋ははじまり?」



あたしの顔を覗き込む。



「会ったこともないのに。それにヒロがいるよ、まだ」



ヒロがいる今は誰かに恋なんてするべきではないと思う。
ヒロは好き勝手やっているけど、あたしはそうはなりたくない。
ちゃんと別れるなら別れるでケジメをつけたい。



「あんなの彼氏って言えるー?」


「俺の悪口はやめてくれる?」



突然後ろから聞こえた声にかすみがびっくりして後ろを振り向く。

あたしも後ろを見れば、うっすら茶色い短髪の鼻筋が通ってキリッとした目の男の子。



「織田いたんだ」



かすみはわかりやすいほどの苦笑い。

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