あたしたちの恋模様
『これも何かの縁だし、ちょっと話さない?』



あの言葉から俺らは始まった。



「まさかお前が電話でしか話してない子を好きになるとはね」


「まぁな。自分でもびっくりしてる」



今まで好きになってきた子は結構仲良くなってから〝好きかも〟って思い始めてたから。

電話ではたしかに仲良くしてるけど、会ってもいないのに好きになるなんてないと思ってた。



「まぁ、内面から好きになるのはいいことじゃね?」


「……だな」


「もしも将来相手が病気とかで禿げたとしても愛せるだろ」


「……極端」



小西の例え話はいつも極端で。
でも、今回の話はその通りだとはおもった。


いくら禿げたって、太ったって、殴られて顔面が見るに堪えなくなったって。
それでも中身が変わらないのだから、愛せる自信はある。


──だから、俺にチャンスをください。
君を幸せにするから。

もうあの日のように君を悲しませることなんて絶対にしない。

あの、電話の中で泣きじゃくる君を俺は奪いさりたかった。
今度は俺の手で幸せにしたかったんだ。

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