あたしたちの恋模様
「話したいなぁ……」



かすみと別れて、1人になって思うこと。

──悠貴と話したい。
こんなふうに思うくせに依然自分の気持ちはハッキリしてこない。

毎日、悠貴とはなすことがあたしにとっての日課で。
悠貴と話せない日なんて存在しちゃダメなんだ。

こんなふうに毎日話してるのに、あたしと悠貴はカップルではない。

悠貴はあたしのことを好きだと言ってくれるけど、でもそれはまだちゃんと会ってるわけでもなくて。
だから、ちゃんと会ってからじゃないとその言葉は信じられない。

もしも〝思ってたのと違った〟と言われたら。
たぶん、あたしは立ち直れないから。
だからまだ信じないほうがいいんだ。

でも、悠貴の言葉はいつも真剣で。
あたしの心にストンと入ってくる。
思わず、絆されそうになってしまって、その度に気持ちを立て直してる。



「あっ……」



巾着の中で震えていて、取り出したスマホの画面に表示されてる名前に自然と頬が緩む。



「……もしもし」


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