あたしたちの恋模様
「あ、今大丈夫?」



2人と別れてすぐにスマホを耳に当てる。



『うん。悠貴、さっきあったよね』


「うん、全然話せなかったから電話した」


『ふふ。ありがと』



電話の向こうでも車の音が聞こえるから、心結も初詣の帰り道ぽかった。



「そうだ、振袖可愛かった」


『……なっ、急に。恥ずかしい』



慌てだす心結の声に自然と頬が緩む。



「今度はちゃんと会おうな」


『うん。いつ会えるかなぁ……』


「来月、部活にちゃんと復帰するんだ」



別メニューで調整してた俺にこの前監督はいった。
〝2月のフットサルからはお前も出れよ〟って。

今は雪で外で試合ができないから、体育館でやるフットサルに変わっている。



『ほんと!?じゃあ……』


「あぁ。俺の中でのけじめ、ちゃんとつきそう」



なんとなく嫌だった。
部活に復帰しないままで心結に会うのが。
ほんの少しある、俺のプライドってやつかな。

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