あたしたちの恋模様
「……っ、悪い。考えてみたらそうだよな……」



バツが悪そうな顔になる。



「いや、好きだから必死になるのはわかるから」



イイヤツみたいなことをいってるけど。
俺は何もイイヤツなんかじゃない。

本当はヒロが好きな子だってわかってるのに、知らないふりをしてる。
いつかはわかることなのに、気づかないふりをしてる。



「俺ってどうしょうもないよな」



近くの塀の前に座る。



「ヒロ?」


「こんなの付き合ってる時に必死になれよって話だろ」


「……まぁ」



ヒロが付き合っていた時の話は心結からたくさん聞いたから知ってる。
たしかにあれはひどかった。



「俺バカだからさ、心結はずっと俺のこと好きでいてくれると思ってんだよ」


「……しゃーねーだろ。できなかったんだから。この先また頑張るしかねぇだろ」



ヒロの横に俺も腰を落とす。

──偽善者。
今の俺にはその言葉が似合うかもしれない。

本当は次は俺がって思ってるんだから。


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