あたしたちの恋模様
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「じゃーん!」



部活が終わって家に帰ると自分の家のように寛いでる、ヒロ。



「来てたんか」


「おう、それより見てみて!」



部屋に入ってきた時に見せてきたモノをもう一度俺の前に出す。

綺麗にラッピングされたモノに今日の日付を考えれば、それが何なのかはすぐに見当がつく。



「おまえ、なんの自慢だ。俺は一つもねぇよ!」



ヒロみたいにモテるわけでもなく、郁人みたいに彼女がいるわけでもない俺には一つもチョコなんてこなかった。
もらったのは母さんと姉ちゃんからの2つだけ。

……身内からだけって切ねぇ。



「俺だってこれだけだよ」


「珍し、小中の頃なんてダンボール1つくらいあったんじゃね?」



少し盛ったようにも思えるけど、そのぐらいの勢いはあったのに高校にはいってヒロの人気もついに落ちたかとふっと笑う。

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