あたしたちの恋模様
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「化粧してから行くから待ってー」



かすみが教室であたしに声をかける。



「あ、あたしも化粧する……」



かすみの前の席に座って、メイク道具をカバンから出す。



「お、恋したのかなー?」



普段、1度メイクをしたら直さないあたしにニヤニヤしてるかすみ。



「……恋?」



どこから現れたのか、怪訝そうな顔でヒロがあたしたちの横の通路に立っている。



「ヒロ!急に現れないでよ!」


「ほんと、びっくり!」



かすみもあたし同様びっくりしてるようだ。



「なぁ、恋って?」



あたしたちの様子なんかお構いなしであたしの腕を引っ張る。



「いや、なんもな「これから心結の次の彼氏候補に会いに行くの!」



否定しようとしたあたしの言葉を遮って、かすみが話す。

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