ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「先生……?」
白くて丸い頬を赤く染めて、うつむく葵の長いまつ毛が揺れる。
照明に照らされて、頬に影が落ちる。
肩からこぼれる髪がさらさらと、柔らかな胸に落ちていく。
「あ、ああ……こちらこそよろしくね」
そう答えると、葵はホッとしたように微笑んだ。
だが蒼佑はその瞬間、目の前の、新雪のような少女に、どうしようもなく、劣情を抱いてしまったのだ。
頬にかかる髪をかき上げて、上を向かせ、強引に唇を奪いたい。
彼女が嫌がっても強引に、そうしたい。
それは蒼佑が生まれて初めて感じた、男の一方的な感情だった。
こんなことを考えてはだめだと思うのに、妄想が止まらない。
いつもうつむいて、自分を見もしない彼女に、己を見てもらいたい。
その美しい黒い瞳に、自分を映してほしい。
自分の言葉で、彼女の心を乱したい。
長い髪に触れて、指でかき分けたい。首筋に触れたい。
誰にも触れさせたことがない場所に、触れたい。口づけたい。歯を立てたい。
お互いに着ているものを全部脱いで、自由になって。
強く、鋭く、体を穿(うが)ち、その心を貫きたい。
強く、強く――。