ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

「え?」

 唐突にも感じるナツメの言葉に、葵は目を丸くした。

「いや、だからさ。葵ちゃん、基本的に、他人から気遣われるとちょっと申し訳ないみたいな顔するけど、そうじゃないでしょってことだよ」

 そしてナツメは、はぁ、とため息をついた。

「前から思ってたけど、葵ちゃんは自己評価低すぎだよ」

 自己評価が低い。そう言われて、葵は驚いた。

「えっ、そう!?」
「そーだよ。自覚ないのがまたあれだよね……。葵ちゃんはなにかあっても、基本諦めて受け入れちゃうし……。それでなんとなく気づきにくいんだろうね」

 ナツメはひとりでわけのわからないことをウンウンと納得したようにつぶやき、

「なんでなんだろうなぁ……俺はこんなに、俺のことが好きなのに」

 と、肩を竦める。そして、

「でももう少し、自分の存在が誰かを幸せにしてるんだってこと、認めてもいいと思うよ」

 と、囁いたのだった。

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