この想いを君に
放課後、私はいつも通りふみくんと一緒に帰った。
隣を一緒に歩く彼に、勇気を振り絞って声をかける。
「あの、さ、ふみくん。」
「ん? 」
「あ、えと、」
聞いたらもう戻れない、と思うと言葉がすんなり出てこない。
まるで、無意識に最後の抵抗をしているかのようだ。
声をかけたのに会話をしない私をみて、ふみくんは?を浮かべた顔をしている。
「...ふみくんは、男女の友情って、あると思う?」
今まで見たことないくらい、驚いた顔をされた。
そして少しの沈黙の後。
「.........ない、かな。」
唇をそう、動かした。
...それじゃ、私たちの、関係は... ?
ふみくんも、家族みたいって、そう思ってくれてるのかな?
いや、友達以下?
どっちにしろ、今は悲しいや。