Happy Birthday~大切な人に贈る言葉~
「ただいまー。」
俺の家は学校から歩いて15分のところにある。
「お兄ちゃん、お帰り!!」
声を聞いて4つ年下の弟、史人(ふみと)が出てきた。
「お兄ちゃん、お願いがあるんだけど。」
なんとなく察しがついた。
「バッティングならつき合わないよ。」
「な‥なんで、分かるの!?」
史人が驚く。
「服装にさらには手にバット持ってたら、なんとなく分かるよ。」
「兄上、参りました!じゃあ、話が早いね!お兄ちゃん、今からバッティングにつき合ってよ。今週、練習試合でさ相手がすごいカーブを投げるらしいから練習したいんだ!だから、お願い。」
史人が懇願する。
「そんなの、一人で行けよ。男なら一人で行く。以上!」
俺は風呂に入ろーと考えたが、史人も下がらない。
「俺、カーブ打ったことないんだよ!初めてだしお兄ちゃん、アドバイスしてよ!」
「えっ?お前、初めてなのかカーブ?」
「中学でカーブ投げるやつ、ほとんどいないよ。」
「‥わかったよ。ちょっとだけだからな。‥お金、あったかな‥。」
カーブを打ったことがないていう弟についていくことにした。
まさか、カーブを打ったことがないとは‥
カキーン!
夕方とあって人はそれほど、多くなかった。
「あっ!お兄ちゃん、カーブあったよ!」
史人が喜んでカーブのマシーンに走っていく。
「まぁ、適当に打ってな。俺、その辺うろうろしてるからさ。」
「えっ?お兄ちゃん見てくれるんじゃないの?」
「気が向いたらな。」
俺は史人の保護者程度にしか考えてなかった。
「お兄ちゃん、じゃあ、今からコイン入れるからお手本見せてよ。」
「えっ?手本見せるの?」
「そう。僕のお金だから、1つでも空振りしたらその分のお金返してよね。」
「お前‥プレッシャーかけるなよ‥。」
わが弟ながらケチなやつだなと思う。
俺は仕方なく打席に入ってみた。
俺は集中する。
周りの音が聞こえなくなる。聞こえるのはマシンの音だけ。
今だ‥!
カキーン!
快音が響いた。
周りにも音が戻っていて、ボールは高く飛んでいった。
「おぉ!お兄ちゃんすごい!!」